電子帳簿保存法と税理士への相談
メールやウェブで受け取った請求書を紙に印刷して保存するだけでは足りない、という点が電子帳簿保存法の大きな変更点でした。税理士に相談する前に、自社がどの制度に関係するかを整理します。
最終確認日:2026-10-12
3つの制度
国税庁は電子帳簿保存法について、「電子帳簿等保存」「スキャナ保存」「電子取引」の制度ごとに情報を掲載しています。所得税法・法人税法上の保存義務者は、特に「電子取引」を確認するよう案内されています。
| 制度 | 概要 | 位置づけ |
|---|---|---|
| 電子帳簿等保存 | 会計ソフト等で作成した帳簿・書類を電子のまま保存 | 希望者が利用 |
| スキャナ保存 | 紙で受け取った書類を画像データで保存 | 希望者が利用 |
| 電子取引データ保存 | メール・ウェブ等で受け渡した取引情報のデータを保存 | 保存義務者すべてに対応が必要 |
位置づけは財務省「ファイナンス」令和6年8月号の解説による。
電子取引データ保存の要点
- 令和6年1月に電子取引データ保存の義務化が始まり、申告所得税・法人税に関して帳簿書類の保存義務が課されているすべての者で対応が必要です。
- 猶予措置:所轄税務署長が相当の理由があると認める場合(事前申請は不要)で、税務調査等の際にデータの「ダウンロードの求め」とプリントアウトした書面の提示・提出の求めに応じられるときは、データを保存するだけでよいとされています。資金繰りや人手不足などの特段の理由がなく要件に従わない場合は対象外です。
- 検索要件が不要になる場合:基準期間(2課税年度前)の売上高が5,000万円以下の保存義務者、またはプリントアウトした書面を日付・取引先ごとに整理して提示・提出できる保存義務者で、「ダウンロードの求め」に応じられる場合です。
- 改ざん防止(真実性の確保)の措置の一つとして、不当な訂正削除の防止に関する事務処理規程を定めて守る方法が導入しやすいと紹介されています。
青色申告特別控除との関係
個人の青色申告で65万円の特別控除を受ける要件の一つに、e-Taxでの申告または優良な電子帳簿の保存があります(国税庁No.2070)。電子帳簿等保存は任意の制度ですが、控除額に関わる場合があります。
顧問契約で確認したいこと
- 電子取引データの保存方法(保存場所、ファイル名のルール、事務処理規程)について助言があるか
- 事務所とのデータの受け渡しで、原データが事業者側に残る運用になっているか
- 会計ソフトと連携した電子帳簿等保存を提案してもらえるか
相談先・申込先の選び方
制度の一般的な内容は国税庁の電子帳簿保存法のページや電話相談センターで確認できます。自社の運用ルールづくりまで支援してほしい場合は、税理士の見積で範囲を明記してもらい、業務範囲のチェック表に加えて比べてください。
出典
- 国税庁|電子帳簿保存法関係(2026-10-12確認)
- 財務省|広報誌ファイナンス令和6年8月号「電子帳簿等保存制度の内容と中小企業の対応策」(2026-10-12確認)
- 国税庁|No.2070 青色申告制度(2026-10-12確認)
- 国税庁|暮らしの税情報(令和8年度版)税についての相談(2026-10-12確認)
確認日:2026-10-12。制度・期限・受付条件は変わることがあるため、手続の前に各公式ページで最新の情報を確認してください。
月額だけでなく、総額と条件も見てみよう。